【完】 SECRET♥LOVE 危険なアイツの危険な誘惑
俯き気味にその場をかわし、早くこの場を去ることしか翡翠は考えられなかった。
琥珀に確認することなくあっけなくその瞬間は訪れた。
琥珀からきちんと別れを言われることもなく目の前の状況で別れを確認する。
女は満足そうな笑みを浮かべている。
「織江さん、宝城さんは琥珀の指導係を引き受けてくださった方なのよ。」
「そうだったんですね。ぜひ琥珀さんの当時の仕事ぶりをお伺いしたいわ。宝城さんこの後お時間よろしいかしら。」
「あの、仕事が・・・」
「宝城君、仕事なら僕からみんなに割り振っておくから」
男の情けない姿。
力のある者には巻かれてみせる。
女どもの機嫌取りに翡翠の背中をポンと押して見せた。
翡翠が今この場からどんなに去りたいか分かっていながら。
その原因を作ったのは男だというのに。
「織江さん私はこの後会議に出席しなくてはいけないの。」
「おばさま私なら大丈夫ですわ。宝城さんに琥珀さんのお話しをお伺いしましたらひとりでも帰りますから」
連れて帰って。
翡翠は心の中で叫び続けた。