【完】 SECRET♥LOVE 危険なアイツの危険な誘惑

街路樹の下うずくまる翡翠がいた。
自分が思っていた以上にダメージが大きく、勝手に傷ついて動けないでいた。
翡翠は自分が許せないでいた。
無邪気な笑顔も幸せな家庭も自分の存在が壊してしまうという現実。
奪うつもりなどないと割り切って逃げていた現実が目の前にあった。
奪わなければ傷つけることなどないと背いていた現実。


でも・・・どんなに逃げてもあの無邪気な笑顔にはかなわない。



 「姉ちゃんどこか具合でも悪いん? 休めるところでも行こうか?」

 「・・・・・」

抵抗なき無言は了承と見なされる。


翡翠の二の腕あたりを男が掴むと翡翠を起き上がらせた。
俯いている翡翠の顔を覗き込むと、小麦色の肌から魅せる白い歯でニヤケテ見せた。
男は翡翠が逃げ出さないようにしっかりと二の腕を握りしめると携帯片手に自慢げに翡翠の話しを通話中の相手に話していた。

 「ヤリテ―なら出てこいや。」

その言葉は、はっきりと翡翠の耳に届いていた。
それでも、重たい足で男に引きずられるように着いていく。
逃げ出すことも叫ぶこともなく無言のまま男のされるがままに。


男は今風の金髪に腕には昇り龍のタトゥ。
小麦色の肌に良く映えていて印象的に翡翠の脳裏に焼き付いた。

どう見ても翡翠より年下でどう考えても翡翠がついていくはずのない男の風貌だった。







 
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