【完】 SECRET♥LOVE 危険なアイツの危険な誘惑
「その手離していただけますか?」
男の肩を後ろから右手で鷲掴みにし動きを止める。
「なんで・・・」
翡翠は俯いていた顔を上げ声のする方を確かめる。
息は切れ、額から流れ落ちる汗。
全力疾走した証。
「あんな電話もらったら放っておけないだろ。初めてだからな俺の事頼ってくれたの」
「なんだテメーふざけんな。」
「汚い手で俺の女触ってんじゃねぇよ。 」
「ハァ?」
「マジで殺すぞ」
殺気だった目で男の昇り竜のタトゥを握り潰す。
周囲の冷たい視線が集まりだす。
中には今にも何か起こりそうな気配に興味津々で見ているものもいるだろう。
男はあまりの激痛に翡翠を握りしめていた腕を離し殴りかかる。
その拳は琥珀の頬をかするもののダメージすら与えられない。
「まだやるつもり?」
男の胸ぐらを掴んで拳を高々と握り振り下ろす。
その拳は男の顔面スレスレで止まる。
「覚えてろよ。」
そんな捨て台詞が聞こえてきて、男は昇り竜のタトゥを庇いながら逃げ出す。
周囲の視線も味方したのだろう。
翡翠も琥珀も傷つくことなくその場から立ち去ることが出来たのだから。