Love♡LDK
「何故あたし達に、あんな事をしたんですか?」
シーン、と辺りが静まり返る。
「玲華・・・」
アリアさんが玲華さんの元へ駆け寄る。
それと同じように、Rainbowのメンバーが会場にやって来た。
「加賀谷玲華・・・、これを見て」
「呼び捨てしなっ・・・っ・・・!」
キッズが、手の包帯を外した。
そこには、まだ生々しい傷があった。
玲華さんも言葉を失ったようだ。
「私はもう18歳だからこれだけで済んだんだと思うわ。でもあのまま・・・、彼女を刺してたらどうなってた事やら」
会場の隅っこにいる女の子を指差したキッズ。
その先にいたのは、先程の証言者である、
―――――大和杏樹ちゃん。
迷子になってた時はあんなに泣いてたのに・・・。
今じゃ・・・いや、前からか。
こんなにも逞しい子になってる。
「それと、刺した男も証言したわ。“俺を指図してたのは松本アリアと加賀谷玲華だ”って」
「さっき警察を呼んだ。もうじき来るはずよ」
ちぃちゃんも1歩前に出る。
「くっ・・・」
下唇を噛み、悔しそうな顔を見せる玲華さん。
そんな彼女の近くに、あたしは歩み寄った。
「加賀谷玲華さん」
名を呼んでも、顔を上げる気配は一向にない。
「№1は地位で取れるモノじゃない。みんな努力して、頑張って。それでやっと勝ち取れるモノなんだよ」
あたしの目に涙が溜まっていく。
頑張れあたし・・・!
震える手をギュッと握った。
「それに・・・アイドルをやっていく上で一番大事なのは‟№1”じゃない。たくさんのファンの方やそうでない人達にも“笑顔”を届ける事なんだよ」
「・・・ひっく・・・っ・・・」
あたしの頬に涙が走る。
玲華さんも泣いていた。
「私達に嫌がらせしといて№1取ろうなんて無理よ」
「もっと正々堂々と勝負しなきゃ・・・。この世界は甘くないんだから」
華歩と真琴が言った。