Love♡LDK

「それではこれより、記者会見を始めさせていただきます」

12時になった。

隼斗が大きなテーブルの前に立った。

あたしは舞台袖で待機中。

―――――パシャッ

―――――パシャッ

カメラのフラッシュが光る。

「本日はジョーカー事務所所属、流川隼斗より御報告があります」

司会者の一言に、会場内に緊張が走った。

隼斗がマイクを持ち、話し出す。

「本日はお忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます」

得意の王子様スマイルを見せた。

女性記者が頬を染めている・・・。

ふんっ!

隼斗はあたしのだもんね。

しかも今は“SuperStarの流川隼斗”だし!

素の隼斗はあんな笑顔見せないもんね!

おまけだいっ。

ってあたし、なんでヤキモチやいてんのよっ!

今はそんな場合じゃない!

「御報告がありまして、会見を開きました」

いよいよだぁ・・・。

ゴクッと唾を呑んだ。

隼斗は1度深呼吸をしてから、



「実は僕・・・Rainbowの桜井満奈さんと交際しています」



なんともストレートにそう言った。

ざわつく会場内。

「じゃあYukaとの熱愛は否定ですか!?」
「はい。あれは、あちら側が勝手にやっていた事です」

1人の記者の質問に答えた後。

隼斗があたしを手招きした。

あたしは歩みだして、公の場に出た。

その瞬間、また会場内が騒ぎ出して、フラッシュが光る。

隼斗の隣に並ぶ。

「何か言え」

そう促され、マイクを渡された。

「えーっと・・・。今彼が言った通り私、桜井満奈は流川隼斗さんとお付き合いさせて頂いてます。ですから、今朝の私と海老名春輝さんの熱愛報道は否定させていただきます」

あたしがそう言うと、また会場がざわめきに包まれた。



< 373 / 776 >

この作品をシェア

pagetop