Love♡LDK

そんな時。





―――どうして、仁菜は死んだの?





そう、思ってしまった・・・。

・・・そうだよ。

仁菜が死ななければ、こんな事で悩まなくて済んだ。

アイドルを続けられるし、大好きな隼斗とずっと一緒にいられる。

全ては、仁菜の死から始まった。

仁菜が死ななければ、良かったのに―――。



ハッとした。

―――パチンッ!

そこまで考えて、あたしは自分の頬を叩いた。

あたしの馬鹿っ!

こんな考え、最低だよ。

仁菜に失礼すぎる。

彼女は、好んで死んだわけじゃないのに・・・。

もっと生きたかったよね?

修平くんと、もっと一緒にいたかったよね?

やりたかった事、いっぱいあったよね・・・。

それなのに、あたしは・・・。

最低だ。

酷い姉だよ。

「ごめん・・・、仁菜」

小さくそう呟いた。

ねぇ、仁菜・・・。

あたしは、どうすればいいのかな・・・?

体育座りして、顔を埋めた。

泣きたくなるのを、頑張って堪える。

芸能界、アイドル、Rainbow、ファン・・・。

Cherry I、桜井財閥、お父さん、お母さん・・・。

“隼斗”。

“裏切り”。

この単語達が、ひたすらあたしの脳内を駆け巡っていた。

< 503 / 776 >

この作品をシェア

pagetop