Love♡LDK

心の中にある天秤は。

片方が“隼斗”。

もう片方が“家族”。

それで、どちらかが地に着くことなく。

ずっと、上手くバランスを保っているんだ。

・・・今のあたしを例えると、こんな感じ。

どうして、こんな事になったんだっけ?

働かない脳を必死に働かせ、過去の記憶をたどる。

あぁ・・・、そっか。

仁菜が死んでしまったから。

だからこんな事になってるんだ。

やっぱり人生って、何が起こるか分からない。

次に起こる事が予測できれば面白いのかなぁ・・・?

ふと、そんな事を考えた。

・・・って、違う違う!

そこで、頭を横に振った。

あたしが今考えるのは、そんな事じゃない。

今、考えるべきなのは―――。





―――きっと、あたしの将来。





芸能界に居続けたら。

あたしは隼斗と結婚出来る。

Rainbowとしての活動も出来るし、女優としてたくさんお芝居が出来る。

ファンのみんなの笑顔もいっぱい見れる。

朝比奈学園に転校し、Cherry Iを継ぐ道を選んだら。

お父さんとお母さんを悲しませない。

柳さんと婚約して、それなりの家庭を持つことも出来る。

もしかしたら、会社を大きくする事だって可能かもしれない。

どちらの道にも、不便はない。

ただ・・・。



―――隼斗との“別れ”。

―――家族への“裏切り”。



この2つが、あたしを苦しめている。

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