【短編】阿呆と馬鹿の関係
「瀬名。何、こんなとこ突っ立ってんねん?」
背中からかけられた声に、振り返った。
そこには、笑って立ってる柚木が居た。
「おーい? どないしたんや?」
心配そうな顔で、あたしを覗き込む。
「見ないでよ、バカ!」
そう押し返してしまった。
だって、今。
あたしの顔は、嬉しさと驚きと何かわかんないので変な顔だから。
見られたくなかったんだもん。
何でいるの?
そんな不意打ち……嬉し過ぎるじゃん。
「はぁ!? 人が心配したってんのに、何やねんっ」
「だ、だって」
「あーぁ。心配して損したわ」
「……」
「って、だから、やっぱ何かあったんやろ?」
優しい声が降って来る。
柚木セコイよ。
そんな優しい声聞いたら、キューンってしちゃうじゃんか。