【短編】阿呆と馬鹿の関係



「瀬名。何、こんなとこ突っ立ってんねん?」


背中からかけられた声に、振り返った。

そこには、笑って立ってる柚木が居た。


「おーい? どないしたんや?」


心配そうな顔で、あたしを覗き込む。


「見ないでよ、バカ!」


そう押し返してしまった。


だって、今。


あたしの顔は、嬉しさと驚きと何かわかんないので変な顔だから。

見られたくなかったんだもん。


何でいるの?

そんな不意打ち……嬉し過ぎるじゃん。


「はぁ!? 人が心配したってんのに、何やねんっ」

「だ、だって」

「あーぁ。心配して損したわ」

「……」

「って、だから、やっぱ何かあったんやろ?」


優しい声が降って来る。


柚木セコイよ。

そんな優しい声聞いたら、キューンってしちゃうじゃんか。


< 13 / 58 >

この作品をシェア

pagetop