【短編】阿呆と馬鹿の関係
だけど、柚木との体勢は同じまま。
あっれ?
柚木、出て行ったの気づいてない?
「柚木、出て行ったみたいだよ?」
そう言いながら顔をあげると
「わぁーってるし」
と、不貞腐れた顔をした。
顔……近っ!
そんな不貞腐れた顔をする柚木の気持ちなんて考える暇もないくらいに焦ってしまう。
「ね、ね。外出よっか」
鍵に手を伸ばしたのに、もう片方の手で阻止された。
「ゆ、柚木!?」
素っ頓狂な声をあげると、もっと近付く柚木の顔。
グッと目をつむり、顔を下に向けた。
こここ、これってキス!?
って構えたのにも関わらず、何もされない。
片方の目を開けると、柚木の顔はすぐソコにあった。
「ビビんなや、アホ」
笑って言うから、ムッと頬を膨らませた。