ヴァイブ
…何で…玲二は、こんなに強いんだろう?

私の作り物の強さなんかすぐに潰されてしまう。

玲二のは、本物の強さだ。



「そう思ったから、また、血まなこになるぐらい営業で走り回った。

昼は営業をして、
夜は友達のツテで短い時間だけどバーで働かせてもらった。
自分の勉強の為にも。

五年の期限は二年ほど過ぎてはしまったけれど、

無事に五百万を貯めて、家に戻る事は出来て、

ようやく認めてもらう事が出来た。

期限過ぎた事は、少しネチネチと言われたけど…」


玲二の目は、優しくて…

吸い込まれそうな程に柔らかい。


「必死に走りつづけて、

店を持てる様になった頃…

あの少女は、どうしてるかな。

と思う様になった。」

「あの少女って、私?」

「うん。七海。

会いたいとも思った。
だけど、探し様がない。

そんな時に、

今度は七海が俺を見つけてくれたんだ。」


私が見つけた…

玲二を…


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