ヴァイブ
『七海へ

お元気ですか?

お手紙を書いてしまって、いいのかどうか悩みましたけど、

一言、成人式を迎えた貴方にお祝いの言葉を言いたくて

我慢しきれずに書いてしまいました。

もしかしら、この手紙は貴方の目に触れないかもしれないけれど…

成人、おめでとう。七海。

もう二十歳を過ぎるなんて、早いものですね。

七海は、小さな頃からおしゃまさんで
私を真似ては、身なりをキレイにしていたから
きっと立派で可愛らしい女性になっている事でしょう。

見れないのがとても残念です。

貴方に会えないとわかっていても
貴方の為の振り袖を買って家においてます。

それを眺めては、二十歳の七海を想像して

後悔ばかりが押し寄せてきます。


七海は、きっと私を恨んでいるでしょう。
憎んでいるでしょう。

それで、いいんです。

私は、七海を置いて家を出て行ったんだから。


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