ヴァイブ
だけど、私はどんなに貴方に恨まれても、憎まれても

貴方の幸せを願ってやみません。

身勝手な母親で、ごめんなさい。

許せなくてもいいです。

許さないで下さい。

一生、恨み抜いても構いません。


だけど、それでも、
もしも、何十年かけてでも
私が生きている内に許せる日が来るのであれば

貴方の為に買った振り袖に
袖を通してくれませんか?


これは、私のワガママな希望なので、
忘れてくれても構いません。


七海。

体には気をつけて、お父さんを大事にしてあげて下さい。

こんな事を言える立場ではないのは、充分に承知してます。

それでは。


母より。』



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