ヴァイブ
「…っく…ひっ…」

母は、私の前で泣き続ける。

そんな母を見て、私は…

「お母さん。

私、お母さんを恨んだり憎んだりした事なんか…ないよ?

お母さんが私の幸せを祈ってくれてる様に、

私もお母さんの幸せをいつも考えてた。

だから…恨んだりした事はないよ。」

私の言葉に

「七海…っ。」

母の涙は止まらない。




母の手紙を読んで

玲二が響に言ったと言う言葉を思い出していた。


『恨んで、恨んで、憎んで、恨んでから許すのでも遅くない』


…玲二…

私は、母の事を許す許さないの前に

恨んだり、憎んだりしてない。


ただ、母と会えて嬉しい。

過去に起きた事は、変わらず私の記憶の中にある。

信じられないぐらいのショックを受けて、その部分が欠落したけれど

思い出せて、父の想いも母の想いも

聞けたから…


どちらが悪い。なんて言えないから

どちらも悪いなんて言わない。


二人共…

寄りかかり続けたかったんだ。


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