ヴァイブ
今、住んでる家は
母が突然いなくなったあの時から

父親との二人暮らし。

私がまだ、小学校一年生ぐらいの時に建てた家。

一人娘の私には、八畳の広めな部屋を与えられた。

今ぐらいになれば、広くてヨカッタけど、小一の幼い私にその部屋は広すぎて…

小学五年生になるぐらいまで、
母の布団に潜り込んで一緒に寝てた。


母は、

いつもいい匂いがする。

甘い匂い。

毎日、私の為に手作りお菓子を作ってくれるから。

石けんの匂い。

毎日、私の服を洗濯してくれるから。


いつも優しくて、笑顔しか見た事がない。

「七海。」

柔らかい肌に触れながら、名前を呼ばれると

安らげた。


私は完全なママっ子。

女の子って、結構パパっ子になりがちみたいだけど…

私は、父より母について歩いた。

決して、父親が嫌いだったわけではない。

『好き』の度合いは同じだった。

限りなく甘やかしてくれる両親が大好きだった…

なのに…



あの時を境に、母はいないし

父も…

日に日によそよそしくなっていった。



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