ヴァイブ
急過ぎて、訳がわからない。

何でいないの?

父に聞いても、

「出て行った。」

それしか言わない。

私は、出て行った理由を知りたがったのに、
理由は、今でも教えてくれない。

教えてくれない内に、私は母親に捨てられたんだ。

そう解釈した。

『捨てられた。』
そう思ったら、
憎くて、憎くて、一生恨むのだろうけれど…

私には、不思議とその感情は沸いてはこなかった。

逆に、
ただ純粋に幸せになっていればいい。

母の幸せを心から願っていた。


それは、きっと、母を心から愛していたし、尊敬もしてた。

何か理由があって、出て行った。

その理由は、私の無くしたほんの一部の記憶の中にあるんだと思う。

どんなに、思い出そうとしても思い出せない。

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