ヴァイブ
『記憶喪失』

そんな事がホントにあるんだと思った。

それも、ほんの一部だけの記憶。

おそらく、
その記憶がよほどショッキングなモノで、思い出したくなくて、自分から心の隅へと追いやって、出てこれない様にしてる。

本などをいくつか読んで、
その結果に到達した。

思い出したくないなら、思い出さなくてもいい。

封を閉じる程にショックな事なら、死ぬまで思い出さない方がきっと幸せだ。


そう、思ったんだ。



漫画喫茶に入って、適当な漫画本をいくつか取って、指定された個室へ入った。

イスに座ってから、鞄から携帯を取り出して、電源を入れた。

今の時代、携帯を持ってないわけない。

その場限りの男に、連絡先を教えるわけがない。

ヤッてる途中にでも、鳴らない様に電源は消してしまっておく。


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