ヴァイブ
ガタンガタン―

玄関の方から物音。

…誰か帰って来た。
響?玲二?


ガチャ―

ドアの開く音。

この部屋に入って来るって事は、玲二か。


「七海?」

やっぱり…玲二の声。

「寝てるの?」


返事はしない。

寝たフリしとけば、何も言われなくて済む。

きっと、真帆の事で何か言われると思ったから。


「七海…」

そっと、私の髪に触れる。

ドキっと、心臓が鳴ったけど

寝たフリを続ける。

寝てると思ったのか、玲二は部屋から出て行く。



…もう、店の終わりの時間…?

枕元に置いといた携帯に手を伸ばして、時間を見た。

AM1:00

店って朝の四時までじゃなかった?

私が帰る時は、まだ客が6、7組いたから

暇でさっさっと閉めたなんて事はないよな。


考えてると、また玲二が部屋に入って来て

ベットの中へと入って来る。


玲二の息が首にかかって
玲二の手がお腹の辺りに来る。

後ろから抱き締められている…


それでも、寝たフリする私に

「七海。ホントは寝てないしょ?」

静かに言う。


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