ヴァイブ
「いっただきま~す!」

玲二と響の声がハモった。


「お~!旨い!七海、ちゃんと料理出来るんだね。」

玲二の言葉に

「何?バカにしてんの?」

軽く睨む。

それに対して、玲二はフフって笑うだけ。


「七海が来てよかったねぇ。すげー久し振りに手作りの味って感じ。
玲二は、魚焼くだけとかインスタントの味噌汁とか、味付き肉を焼くだけとかだから、感動~!」

響がオムライスを噛み締めながら言う。

「あっ~…、それで、肉と魚ばっかあるんだ。やたら食料あるわりには、野菜とか少ないと思った。」


「七海。お前はよく見てるね。」

玲二が口を挟んだ。

「何があるか見てただけ。こないだ塩鮭を焼いた時も魚と肉はやたらあるなぁ~と思ったけど。」

「そっか。これからも作ってくれるの?」

「気が向いたらね。」

「じゃあ、向いてね。」

「ヤダ。」

ツンとしながら、オムライスを頬張る。

「俺、次は、肉じゃが食いたい。」

ニコニコしながら、言う玲二に

「だから、気が向いたらね。」

と念を押しといた。

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