ヴァイブ
―スナック Berry


「貴女、玲ちゃんのお友達だったのね。
玲ちゃんから連絡来たわぁ。
よろしくって。
先に言ってくれればよかったのにぃ。」

ボックス席に座っての面接。

…と言うか…世間話みたいだ。

「玲ちゃんは、いい男よね。
私が後、10年…ううん。20年ぐらい若かったら彼女にしてほしかったわぁ。」

目の前に座ってる『ママ』は、少し頬を赤らめながら、眉を下げて玲二の話しをする。

「ホントいい男よねぇ。
玲ちゃんのお店、週に二、三回行ってるのよね。店帰りに。
お客さんとか連れて。」

ただのミーハーなのか?

このママは…。

「っで…?」


でっ…?

「貴女の源氏名はどうしましょう?」

えっ?
突然に話題転換で本題?

「じゃあミキで。」

とっさに、その場限りの男達に教えてた名前を言う。


「ミキね。いつから働ける?」

「じゃあ、明日から。」

「そう。じゃあ、明日の七時に来てね。」

「はい。」

「玲ちゃんに、よろしく。」

「…はい…」

最後の返事は、少しひきつってた。

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