キミがいなくなるその日まで
心という名の



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病院に着いたのは午後3時過ぎ。


案の定、風間先生や看護師さん達にこっぴどく怒られ、その後念のため診察を行(おこな)ったけど二人共異常はなかった。

でも驚いたのが先生や看護師の中に今回の事は許してもいいんじゃないかと言ってくれた人が居た事だ。

勿論、無断外出は絶対してはいけない事だけど、普段文句も言わず頑張ってる二人だからって。


『──マイっ!』


自分の病室に帰るとお母さんが険しい顔で待っていた。


当然だよね。電話もメールも一切シカトして行き先さえ告げずに出て行ったんだから。


『どれだけ心配したと思ってるのっ!?』


お母さんはそう言って右手を振り上げた。

叩かれると思った私はとっさに目を瞑ったけどその手は私の頬の寸前で止まっていた。


『マイの事、帰ってきたら絶対叱ろうって思ってたけど止めにするわ』


まさかそんな事を言われると思ってなかった私はキョトンっとしてしまった。

お母さんにはビンタの一つでもされるって思ってたしそのつもりだった。それなのに…………


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