崩壊家族
けど現実は、あまりにも残酷過ぎるものだった。

帰ってこない夫と娘に、ひきこもりの息子。

家族みんなで囲むはずだったテーブルで、1人寂しく食事をする私。

自分が何を食べているのかわからない。

自分が何をしているのかすらわからない。


朝食を終えた食器を片づけた後、私は息子の部屋のドアの前に菓子パンと紙パックのジュースを置いた。

最初の頃は少しでも美味しいものをと思って、息子の食事に頑張って腕を奮っていた。

けど、ドアの前に置かれている空っぽの食器を見るたびに、私はだんだんと虚しさを感じるようになった。

私は何をしているのだろう…と、そう思った。

いつから、息子の部屋のドアの前に菓子パンと紙パックのジュースを置くようになったのだろう?

それすらも、すっかり忘れてしまった。
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