崩壊家族
「腹減った~」

たくさんあったはずの菓子パンと紙パックのジュースは、すっかりなくなってしまった。

冷蔵庫にまだあったっけな?

なんて思いながら部屋を出ると、冷蔵庫を漁った。

「んだよ、ろくなものねーじゃねーか」

賞味期限切れの牛乳やら、ジャムに調味料。

そう言えば、最近母親が帰っていないことを思い出した。

一体どこに行ってるんだろ。

そう思っていたら、
「君、何やってるんだ?」

その声に振り返ると、警察の制服を着た男たちがいた。

驚く時間も与えてくれないまま、俺は彼らに取り押さえられた。
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