キレイをつくる保健室

「私に抗議?何について抗議されるのでしょう」

ばかに丁寧な、ゆり先生の返し。


勝ち負け、すぐに決まりそう。

あたしは、ゆっくりカバンを抱えてローファーを履いた。

「帰る」

「待て」

あたしの腕をつかむ、短く太い手。

塚田。

「雨宮先生、花崎で遊ぶのは止めていただけますか」

「遊ぶ?何のことです。ナミ…さんは、キレイになるためのレッスンを受けていただけですわ」


ゆり先生のバックには、理事長がいる。

つ~か~だ~、
クビ飛ぶよ?

あたしは塚田センセの手を振り払った。


「ゆり先生のせいじゃないですよ」

本当は、ほんとは、ゆり先生のご推薦、瀬名ヒロさんのせいです。



て、……ヒロは?
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