龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
「あんたがわたし達の仲間に入りたがるのは、わたしが闘龍をやるから?」


「それもありますけど、わたし、三田先輩が羨ましいんです。友達に囲まれていて」


「あんたの方が取り巻きがいっぱいいるじゃない」


「それですよ」

美月は顔を曇らせた。

「あの子達は『取り巻き』なんです。わたしの顔と頭がいいから」


あんたが言うとイヤミにならないから、不思議よ


「大野先輩も滝田先輩も、自分は闘龍をやらなくてもちゃんと話を聞いてくれるでしょ?」


今日は逃げたけどね


「わたし、今までずっと話したい話を我慢して、人に合わせて来たんです。ファッションなんてどうでもいいし、芸能人もどうでもいい。なのにいかにも興味があるように振る舞って――」


「疲れちゃったのね?」


美月はコクンとうなずいた。


「わたし、お姉ちゃんみたいになりたかったんです」


その気持ちは分かるわ


「美月は美月でいいじゃないの。ここだって、美月のためだけの場所でしょ?」


「はい、父が作ってくれました」


「美月のことよく分かってくれてる証拠じゃない。本当の友達だってできるわよ。あんたが、分かってもらえないって決めつけなきゃね」

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