龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
「うーん、頑張ってみます。あっ、でも先輩達の仲間には入れて下さいね」


う……懲りない子ね


「まあ、とりあえず、あんたの赤ちゃん龍を見せてちょうだい」


「そう! それでした。こっちです!」


美月が急に動いたので、肩に留まっていた赤龍が飛んで行った。


「でも、どうして卵を持ってたの?」


龍の繁殖時期は夏だ。


「大ちゃんと野生の龍を見に行ったんですよ。海岸の方に秘密の場所がありまして、そこで見つけたんです。この時期、珍しいですよね。砂から完全に出た状態だったから、もうダメかなぁとも思ったんですけど、上手く孵りました」


美月は大きなケージの前までわたしを連れて行った。


「この中です。とにかく変わっているんですよ。鱗が毛みたいに細くて、爪の形も四角いし。だんだん角も出て来たんですよね」


ケージの上側の柵は外せるようになっているらしく、美月が止め金を外して持ち上げた。


「ただいま、ベイビー。お客様よ」


中にいた龍がキュウと鳴いた。


えっ!

ちょっと待ってよ……


「美月、この子……龍じゃないわ」

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