龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
「お姉ちゃん、今日は司先生来る?」

美月がきいた。


「え? ええ、後で来るわ。どうかした?」


「ちょっとお願いがあるの。常盤さんはまだいる?」


「いるわよ。お父さんが帰って来て、今、二人でお話中よ」


じゃ、後は頼んだわ美月


「わたし、玄関で圭吾さんを待ってます」


わたしがそう言うと、優月さんが『まあ、ダメよ』と言った。


結局、居間に通されて、美月のお母さんが、お茶とお菓子を出してくれた。

美月が、龍の冬越しの事をとうとうと語りだす。


「この子、学校でもこうなんですか?」

お母さんが半ば呆れたように言った。


普通のおうち


子煩悩なお父さん

学校の様子を心配するお母さん

時々里帰りしてくる優しいお姉さん


素敵なおうち


いつか、わたしもこんなふうに家族を持つわ
< 38 / 120 >

この作品をシェア

pagetop