龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
圭吾さんはわたしの母方の従兄で、婚約者。


この羽竜本家の当主で、海外赴任中の親父の代わりにわたしの保護者を務めている。


羽竜家は龍神の子孫と言われていて、一族の人はそれぞれ何かしら不思議な力を持っているんだけど……


圭吾さんはその中でも特別。


でも、気味悪がられたら嫌だからって、わたしにはなるべくそういう面を見せないようにしているみたい。


わたしは別に平気だけどな



「ゴメン。嫌な思いさせたね」

圭吾さんは優しく言った。


圭吾さんが謝ること?


「それはいいけど、あの人達 何?」


「今来ている客のボディガードだ」


ホディガード付きのお客様って、すごくない?


そういえば今日の圭吾さんは、上着こそ着ていないけどワイシャツにネクタイ姿。


「わたしのために、お客様を放っておいて来たんじゃないの?」


「そう。もう戻らないと――ああ、嫌な奴が来た」


圭吾さんの視線の先には、紺色のスーツを着た男の人がいた。

圭吾さんよりもう少し年上な感じ。
< 4 / 120 >

この作品をシェア

pagetop