龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
「話し方に気をつけるようにするよ」

圭吾さんが笑った。


圭吾さんが気をつけてどうするのよ


「あのね」

「何?」

「わたしも気をつける。今までずっと一人だったから連絡すること、深く考えてなかったの」


少しためらうような間があって、

「うちでの暮らしは息苦しいかい?」

と、圭吾さんが言った。


「ううん」

わたしは驚いて言った。

「すごく幸せ。伯母さまや彩名さんがいて、圭吾さんがいるもの。圭吾さんは、わたしが必要――よね?」


「必要だよ」


わたしは嬉しくなってニッコリと笑った。

圭吾さんが横目で、チラッとわたしを見た。


「今日は、いつもの友達と一緒じゃなかったんだね」

「龍を見に行くって言ったら、美幸も亜由美も逃げちゃった。悟くんは委員会だったし。わたしが美月の家にいるって、悟くんから聞いたの?」

「ああ……うん」

「次はちゃんと連絡するね」

「そう願いたいね」

圭吾さんはつぶやくように言った。

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