龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
「トナカイ?  あの鹿みたいな奴?」


「うん。常盤さんがいたから、圭吾さんに見てもらう訳には行かなかったの。でも、美月が司先生に見せる事になっているから、後で司先生と話してくれる?」


圭吾さんの従兄、司さんは、優月さんの旦那さま。

一時は、優月さんをめぐって仲違いしてた二人だけど、もう平気よね?


「分かった。で、常盤と関係があるのかい?」


「圭吾さん言ってたじゃない。常盤さんが関係している研究所の事、怪しいって。動物実験してるのかなって思ったの」


「今日、常盤と話した?」


「ちょっとだけ。お見合い話があったんだって?」

わたしは憮然として言った。


「その場で断ったよ」


「うん。その後、圭吾さんの婚約者を知ってるかって」


「自分がそうだと言った?」


「言ってない。教えてあげる事もないしね」


「常盤が嫌いみたいだね」

圭吾さんが笑いながら言った。


「嫌いって言うほど知っちゃいないけど」

わたしはちょっと考えた。

「ああいう気取ったしゃべり方は苦手かな」
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