龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
夕食が終わって間もなく、圭吾さんの携帯電話が鳴った。

司先生からみたい。

これで、わたしと美月の手から問題が離れた。


「部屋にいるから、後で来て」

圭吾さんはわたしにそう言うと、電話に戻った。


母屋のお風呂に入って、自分の部屋で宿題をやってしまって、それから三階の圭吾さんの部屋に行ったのに、圭吾さんはまだ電話で話している。


話の内容が切れ切れに聞こえる。

カメラってなんのカメラ?


ソファーに座って一人でテレビを見ていたけれど、つまらない。


わたしはクッションを抱えたまま、あくびを噛み殺した。


退屈だけどいいわ

だって圭吾さんの声が聞こえるもの

寂しくない


「うわっ! 寝かけてる」

圭吾さんの声が遠い。

「司、続きは明日にしてくれ。学校の方に行くよ。うん、子守はお互い様だろ?」

子守ってわたしの話?

「ああ――優月はごねるからまだいいさ。志鶴は文句も言わずにじっと待ってるんだよ。かわいそう過ぎる。切るぞ」


わたし、かわいそうなんかじゃないわ

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