龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
「皆さんお疲れ様でした」

わたしは言った。

思ったよりも落ち着いた声が出た。

「何か飲みません? お茶か、コーヒーでも」


巧さんがニッコリと笑った。

「お言葉に甘えて。コーヒー貰おうかな」


「僕、手伝うよ」

悟くんが腰を上げて、わたしについて来た。


「詳しい話、聞きたい?」

廊下に出ると、悟くんが言った。


わたしは首を横に振った。

「圭吾さんから聞く」


たぶん、サラっと流されるだろうけど、その方がいい。

圭吾さんが怪我をするような話を、冷静に聞けるとは思えない。


台所に行くと、和子さんがいた。


「コーヒーを入れに来たの」


「六つ、でよろしいですか?」


わたしは首を横に振った。

「四つ。圭吾さんと司先生は少し遅くなるんですって」

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