龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
「う、うわわわわっ! 何? 何? 何っ?」

大輔くんは大声を上げながら、掛け布団を抱えて壁際まで逃げた。


悟くんは眠そうに前髪を掻き上げて、頭をちょっとだけ起こした。

「おはよう、しづ姫。早朝ドッキリかい?」


わたしは布団の上にバタッと伏せた。


「悟くん、もっと驚いてよ~」

「大輔が三人分くらい驚いたじゃないか」


大輔くんは壁際で目をパチクリとさせていた。


「驚かすなよ」

大輔くんは這って手を伸ばすと、枕を手にした。

『ゴメン』と言いかけたわたしの頭に枕が命中する。


「ガキみたいな真似すんなよな」


「ねえ、弟がいるっていつもこんな感じ?」

わたしは悟くんに向かって尋ねた。


「そう。小生意気で騒々しくて――楽しいよ」


「何だよ、それ」

大輔くんは顔をちょっと赤らめて咳ばらいをした。

「でも、お姫様が弟を欲しいって言うなら、なってやってもいいぜ」


ホントだ。楽しいわ

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