龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
朝食の席は、要さんも加わって賑やかになった。


「こんなに人が集まるのは何年ぶりかしらね」

伯母様が嬉しそうに言った。

「あなた達が子供の頃は、よく集まったわね。賑やかで楽しかったわ」


「そのうち孫で一杯にしますよ」

圭吾さんがごく当たり前の事のように言った。


この広い家を一杯にするには、何人くらい必要かなぁ


「十人くらいいても平気よね」

彩名さんがそう言う。


「その半分は彩名の持ち分だぞ」

圭吾さんが皮肉っぽく言った。


ママが生きていたら、あるいは、ママが亡くなってすぐにこの家に預けられれば、わたしもこの賑やかさの中で育っていたのかも知れない。


一瞬、胸が痛んだけれど

圭吾さんが笑顔でわたしを見て、

そんな事は何もかもどうでもよくなった。


過去は変えられない。

でも、未来はこの手にできる。


二人で

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