愛のない世界なんてない
「好きだよ?」
「うちだって好きなのよー」
本当になんなのー?自分。
「…………告白されたんだよ、万引きオバサン」
「は?」
この声は聞いたことのある声。
なんでここにいるのか?
「誰?」
私が振り向くと後ろには圭がいた。
「華ちゃん、告白されたんだぜ」
「うっそぉ~」
「あ、お前は」
宮迫は圭を見た。
「どもー、圭です」
圭はペコリと頭を下げた。
この愛くるしい表情。
こいつ、超整った顔してんなあ。
「お前さあ、バレンタイン何個貰った?」
何故か関係ない話をする宮迫。
「知りたい?そんな」
「知りたいなぁ」
いい大人が…。
私を間にして話す二人。
「知りたいのかあ、多すぎて困っちゃいますよ?」
「いいから言え」
強く言う宮迫。
「分かった。……14コ」
私自身もビックリした。
圭はやっぱモテるのかってね。
一方宮迫は変な嘘をついた。
「俺は二十個ぉぉぉ」
「ばかー」
私は宮迫を強く叩いた。
「痛っ」
宮迫はそう言う。
「つーかもう帰りたいー」
酔い疲れた華芽。
「じゃあ送ってくよ、な?東雲」
「ううん、俺が送っていくから」
圭がそう言う。
確かに圭のほうが良い。
だが圭は強引にも私を引きずった。
「華ちゃん、俺んち来る?」
圭はニヤッと笑った。
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