愛のない世界なんてない
「圭!」
先に来たのは上のほうっぽい子だった。
「圭兄ちゃん!」
後に来たのは下のほうっぽい子。
「あの人、華芽って人。俺の友達」
「ふーん」
「そうなんだ」
二人は私を見た。
「こいつが下の尋斗。んでこいつが上の裕次」
二人の顔を見るとなんとも羨ましい。
かっこいいしかわいい。
「こんばんはー」
「こんばんはっ」
二人は挨拶してくれた。
ち、ちょっと待って。
尋斗君…可愛い。
ハートに矢が刺さったかも!
「華芽な、華芽」
裕次君に勝手に呼び捨てにされた。
「じゃあ僕も華ちゃんって呼ぶよ」
尋斗君がニコッと笑った。
本当に14才!?と思うほどキュンてくる。
「華ちゃん華ちゃん」
私を呼んだのは圭だ。
圭は私の腕を引っ張った。
「尋斗が好きになったっしょ」
見事に当てられて私はドキッとする。
「そ、そうだよ…」
そう言ったら何故か頬が赤くなった。
「華ちゃんかわいー」
圭にいきなり言われた。
「んな゛!?」
「でもブチャイクー」
圭は目を細めて歯を見せながら笑った。
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