愛のない世界なんてない
「華芽ぇー」
裕次が私を呼んだ。
「好きになったかも」
裕次は舌をだしながら言った。
「な、何が!?」
「携帯が」
「あ、け、携帯か…携帯…ははは…携帯…」
私はてっきり自分の事かと思った。
だからちょっと顔が赤くなっていた。
いきなり一目惚れかと思っちゃったじゃんよ…。
「てか…なんで携帯嫌いだったの?」
私は聞いた。
「だってなんか嫌だったし」
まったく裕次の言ってる意味が分からなかった。
「華ちゃん華ちゃん」
次は尋斗君が私を呼んだ。
私はそれが嬉しくて尋斗君に抱きつきながら言った。
「何?」
「う、うん……圭兄ちゃんとどこで知り合ったの?」
「え?んーとね…コンビニ」
「コンビニ!?」
尋斗君は驚いていた。
「じゃあじゃあ、どんな関係?」裕次君が質問した。
「俺達さぁ、アッチの関係なんだよね♪」
と言って圭がいきなり私の首に腕を巻いた。
「そ、そうなのぉ!!??」
尋斗君と裕次君が声を合わせて身を乗り出した。
「嘘に決まってんじゃん♪」
と言って圭は舌を出してケロッとした。
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