愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
本当にツーリングなのか、ちょっと怪しい。
だってこの人たち、この辺じゃ有名な不良なんだよ?
最近忘れてたけど、ケンカとかだってしちゃうんだよ?
そんな人たちが、本当にツーリングで済むのか……。
もっと騒がしくしちゃうんじゃないの?
「何怪しんでんだよ?」
大河が茶化すように言う。
「別に?」
「まぁまぁ、本当に今回はツーリングレベルだよ。参加するのも俺たちと光、虎太郎ぐらいだし……。少人数の走りだから。平和なものだよ」
「颯の言うとおりだ。それに大規模な走りは毎年12月しかないからな」
蓮が言った。
「12月?」
「そう。12月っつーか、年越しに走るんだよ」
大河が笑顔で言う。
よっぽど好きみたいだ。
「本当は総長の誕生日とかにもしたりするんだけど、蓮が嫌がるからなぁ」
はぁ、とため息をつく大河。
蓮はしれっと口を開いた。
「あれは騒がしすぎる。たまにくらいでいい」
「たまににしても年一って少なくね?」
「十分だ。嫌ならお前が総長やれ」
「そりゃー無理だ」