愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
あたしと蓮はそれぞれ電球型のカップにお茶とソーダを入れてもらって受け取る。
電球に入ったソーダは透明で泡が出ていて、日の光を浴びると一層キラキラして綺麗だ。
蓮のお茶入りは茶色くて何とも言えないシュールさだけど。
しばらくそこで隼と話していると、背後から隼を呼ぶ声がした。
少し細めの、男性の声に振り返る。
「親父!」
中性的な顔、黒い短髪、30代くらいの歳に見えるその男が隼の父親なのだと隼の声で知る。
「来なくていいって言ったのに!」
「いやー、ちょうど休みだったから」
ワハハ、と豪快に笑う隼のお父さん。
隼の家は、父子家庭だったっけ。
「蓮くんも、久しぶり」
「ご無沙汰してます」
「こちらは?」
蓮に向けられていた視線が、あたしへと移る。
「あ、こんにちは……」
少し緊張して、気の利いた言葉が出てこない。
颯のお父さんともタカのお父さんとも違う、フレンドリーな隼のお父さん。
こんな“お父さん”初めて見た……。