手紙でXXXして。
からん


彼は筆を器用に側にあった小さな机に放りなげた。


「とりあえず『この作品』はここまでかな」


描かれた世界は、美しい夕日の絵だった。




「きれい…」

あたしがそういうと、彼は事もなげにいった。


「まだまだ。本物の夕日の美しさにはやっぱりかなわないな。あー悔しい!どうしてもっともっと自然の美しさを僕はかけないのかなぁ」


同じ町で同じ太陽の下で生きてるのに、彼の目からは世界はそんなにも美しく見えるのかと思うと、あたしはなんだか悔しくてたまらなかった。




けど、その彼が見ている美しい日常の世界を見れたことに、


ちいさな、
ちいさな幸せを感じてもいた。





あたしもこの体がなじまない日常の世界が、美しく見える時がくるんだろうか。


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