ONESTAR
俺にキレられ、「バンド辞める」なんて言われたら、

困るのはこいつらだからだ。

次回ライブのチケットは、すでにノルマ以上捌けてて、

こいつらは浮いた金でけっこう遊んでるって噂だ。



「んじゃ、そういうわけで新曲通すぜ。」



名ばかりのリーダーに一応敬意は払ってるのか、

結局リュージが折れてそれぞれの持ち場につく。



防音のために締め切った安スタジオは、

深呼吸もためらうくらい、汗と埃の匂いがする。


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