ONESTAR
そりゃ、泣きもするだろう。

新しい家では、娘になるはずのあたしにシカトされ続け、

大事な息子はこのザマだ。

「ほんまにこれ、落ちひん?」

少年が洗濯機を見た。

「あたしが洗っておいてあげるから、もう寝なさい。」

「え?」

「たぶん、落ちないから、体操服は無くしたって言えば?」

「ねーちゃん。」

「は?」

何?ねーちゃんってあたしのこと?

「そうする!ねーちゃん、ありがと。」

少年はそう言うとものすごくいい笑顔をあたしにくれた。
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