ストーカー
第五章

デスク

――2009年、秋。

岡田が捕まって、半年が経った。


『半年前の岡田さんが撮った写真なんですが…』


あれ以来、会っていなかった加地からの電話だった。

「先輩、コピー終わりました」


紀山が紙をヒラヒラと揺らす。


「そこに置いておいて」


紀山は眉を上げ、了解の意を示した。


「ゴメンなさい。それで?」

『以前は合成と言い切ったんですが…』

遠慮がちな加地。

「違ったの?」

ストーカーの被害が、あれ以来無くなった。

そのせいだろうか?


私は緊迫感をここしばらく経験していない。
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