ストーカー
『いえ、合成は合成でしたんですが…』

沈黙。

何だか腹立たしい。

「早く言ってよ」

少し強い口調になってしまった事を後悔している。


こうやって、私が普通でいられるのは、彼の存在のおかげなのだ。


『カメラだけなんですよ。合成されていたのは』

加地が巻くし立てる。

「え? どうゆうこと?」


だが、次に聞こえたのは電話が切れる音だった。


彼を怒らせてしまった。


それはそうだ。

彼は元々無関係な人間なんだから。


こうやって、ストーカーが終わった後でも、私の為に写真を調べてくれていたんだ。
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