ストーカー
「あれから被害は?」

「大丈夫です」

「そうか。岡田を捕まえた時、加地がいたんだって?」

「ええ」


「いつから仲良くなったんだ?」

「信用のできる人です」


五十嵐はタバコを取り出し、口にくわえる。


「紀山から聞いたけど、盗聴機はもう取り外したのか?」


「加地君が家に来て取り外してくれました」


五十嵐は腕時計を確認する。

「すまない。今から取材だ」


そう言い、五十嵐は走り去る。


「あ! デスク!」

五十嵐が振り返る。

「ファッション担当者、増やさないんですか?」

今は三人。

あれから補強をしていなかった。

「社長に言え。と、まあ、初期メンバーでもう少し頑張ろうや」

五十嵐は笑みを浮かべた。
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