黒騎姫―Princess of black knight
「なっ!?」
「もう一匹いたのか!?」
しかも一回りは大きい。
レジスタンスは動揺して包囲網が乱れる。
……まずいわね。
「ピューーーーーッ」
あたしは指笛を鳴らして黒香を呼んだ。
馬蹄を轟かせて愛馬が駆けつける。
助走を二~三歩つけて騎乗し、二匹目のオルトロスの『正面』へ立った。
さあこい!
双頭の魔犬は、あたしと目が合うと、呻りを上げて突進してきた。
よし、狙い通り。
「黒香! 行くよっ!!」
あたしたちはオルトロスをレジスタンスから引き離すように走り出した。
「黒騎姫!」
後ろの方からアルバードの声が聞こえた。
まあ、任せておいてっ。
あたしは振り返らずに片手を挙げて合図した。