僕は
 確かに弁護士登録して弁護人を長年やっていると、明らかに不可解だと思われることがたくさんある。


 だけど、それが見えてこその弁護士だろう。


 法廷において犯罪者を擁護するのが僕たちの仕事である。


 それに変わりはない。


 ずっといろんな想いが頭の中を駆け巡る。


 幾分疲れることもあった。


 同僚弁護士でもいい加減なことを言う人間は大勢いる。


 僕もそういった連中はほとんど相手しない。


 と言うよりも、同期の人間たちじゃきちんとした弁護をやれる人間は極わずかなのである。


 それは十分分かっていた。


 世の中、弁護士など吐いて捨てるほどいる。


 僕もその一人だ。
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