僕は
第43章
     43
 自宅にいったん戻った日の翌日から数日間、ずっと業務が続いていた。


 クライアントはいろんな案件で常に問い合わせてくる。


 僕も確かに疲れていたのだが、ここで一踏ん張りと思っていた。


 旅行に出かけるまでに舞い込んできた案件を片付けないといけないからだ。


 旅行中はスマホを充電器と一緒に持っていくつもりでいたのだが、オフなので、なるだけ電話が鳴り出しても取らないことに決めていた。


 それまでに淡々と業務をこなす。


 個室にいる間は固定電話が鳴ったり、ファックスが受信されてきたり、メールが入ったりする。
 

 忙しいのに変わりはない。


 弁護士は事務所で働いていても、所詮一サラリーマンである。


 いずれ須山ぐらいの年齢になれば、自分の事務所を開業してもいいと思っていた。


 個人事務所を立ち上げれば、内装・外装ともになるだけ綺麗にして、いろんなところから優秀な弁護士をヘッドハンティングし、充実させるつもりでいる。
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