僕は
第12章
     12
 カップにコーヒーを注いで、口を付けながら業務用のメールを読み、返信すべきものには返信する。


 そしてメールのことが片付けば、最近国会や自治体で成立した法律や条令などについて書かれているサイトを見始めた。


 いろんな法律があって、刑法だけじゃなく、江美が専門の商法や、他の弁護士が専門としている民法などに関してもあらゆる形で部分的な修正が施されている。


 自治体レベルだと条例の改正などは相当広範(こうはん)に亘(わた)っていた。


 僕も確かに新しい法律に関しては疎い方だ。


 実際問題、自分や江美よりも年代が若い弁護士たちが入ってきていて、いろんな法律などに関し、日々勉強を進めているらしい。


 僕もイソ弁だったが、事務所では須山や高階に次いで、ある程度のところまでは行っている。


 確かに毎日勤務していると疲れる。


 いくら個室を与えられ、コーヒーも飲みたいときに飲めても、処理すべき案件は多かったのだし、木崎朱莉の第二回証人調べと第一審の結審が来週に控えているから、身が引き締まった。
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