キミのことを ずっと
それから月日が経ち、雨の多い季節になった。


仕事を終えた私は、帰り支度をする。


会社の出入口から外を見ると


あっ、雨……


朝は降ってなかったのになぁ。


私は前に持って帰るのを忘れ、そのまま置いていた傘を取りに行く。


そして、再び帰ろうとした時――…


「玲子さん」


声のする方を見てみると


「あっ、本田さん」


うちの会社の出入口の所で雨宿りをしている本田さんがいた。


「帰られたんじゃなかったんですか?」


今日も打ち合わせをしに来ていた本田さん。


確か……


2、30分前には帰ったと思っていたけど。


「いやぁ、帰ろうと思ったら、雨が降ってきて……」


ははっ、と気まずそうに笑う。


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