キミのことを ずっと
「はい?」


あまりにも意味のわからない事を言われたので、つい声が裏返ってしまう。


すると


「だから、玲子さんの事を待っていたんです」


本田さんは、もう一度、力強く言う。


「なんで?」


この人は何を言っているのだろうか?


なんて思いながら、私は聞く。


「なんで?って、それは玲子さんと話をしたかったから」


本田さんは笑顔でそう答える。


ますます意味がわからない。


「何かご用ですか?」


「“ご用”って…」


本田さんは笑いながら、掴んでいた私の腕をグイッと引っ張り、抱き寄せる。


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